(編集部注)こちらの記事は、フィットネス業界誌「BEHIND THE FITNESS」にて、2022年4月27日に公開された記事をフランチャイズワンニュースに移植したものです。記事内容は4月27日時点の情報です。
兵庫県芦屋市に本社を置く株式会社ヴェルディークは、フィットネス4業態のFC本部を行っている稀有な企業だ。新興のFC本部ながら、4業態同時にフランチャイズ加盟募集を行い、積極的な事業拡大を行っている。
現在、同社がFC本部として展開しているのは、24時間型ワークアウトジム「24h Burrn Gym」、マシンピラティスグループスタジオ「PILATES AXE」、高強度インターバルトレーニング「BURRN HIIT 7」、ホットヨガスタジオ「潤艶スタジオ」のフィットネス4業態だ。
個人オーナーは独自業態より「フランチャイズ」の方が安心だと感じている
ヴェルディークの創業は2009年。代表である魚井氏の個人事業としてスタートした。同社は創業時からフランチャイズによる店舗展開を行ってきたわけではない。ヴェルディークのフランチャイズ1号店は2021年3月にオープンした。
つまりヴェルディークが4業態のFC本部になったのは直近1年の出来事だ。現在の形になった背景には、業界トレンドの変化を感じたことが契機になったとヴェルディーク代表の魚井 幸生氏は語る。

「弊社はこれまで大手を中心に、業態開発やプログラム開発・人材育成などフィットネスクラブのお手伝いをしてきました。その中で、特にここ数年で感じた変化が2つあります。1つ目の変化は、大手クラブではなく個人オーナーさんから新規開業支援のお問い合わせが増えたことです。2つ目は、新規開業を支援する場合、これまではゼロから新しい業態開発を行うことが主流だったのですが、ここ数年は独自の業態を作ることを不安がるお客様が増えたということです。(ヴェルディーク 魚井氏)」
日本のフィットネス業界は総合型フィットネスが形作り成長を牽引することで拡大してきたことは知られている。直近の20年はエニタイムやカーブス、ライザップといった新業態が業界の成長を牽引、それに伴い店舗サイズの小型化・初期投資の抑制、総合型から専門業態への移行といった変化が発生した。
「海外でも大規模施設から小型施設に中心プレイヤーが変わり、それに伴い施設も提供するプログラムも『なんでもできる』総合型から、専門的な業態に変化した歴史がありますね。(ヴェルディーク 魚井氏)」
とりわけ日本のフィットネス業界を大きく変えた原動力の1つが、個人や中小企業による新規参入の増加だ。それまで総合型フィットネスのように二桁億円の初期投資・数十年の投資回収など…フィットネスビジネスは主に資金力のある企業にのみ開かれた分野だったものだった。それが新業態の開発・専門業態への変化に伴う施設の小型化で開業資金が抑えられ、個人でも参入できるビジネスになった。
「当初は個人オーナーさんから開業の相談が来ると、テナントに合わせて業態開発することを提案していました。ですがフィットネスクラブで勤務経験のあるオーナーさんは少ない。そうなると経験に基づく具体的なイメージがないので、話を詰めていっても『オープンはできるが果たして自分達で運営できるだろうか』という不安が拭えないと。だから『既に誰かがやっている・上手くいっている』『未経験でも経営できている』と思えるフランチャイズの方が安心だと。そこからFC本部としての業態開発が始まりました。(ヴェルディーク 魚井氏)」
フィットネス一筋32年、ヴェルディークがFC本部になるまで
ヴェルディーク代表の魚井氏は、フィットネス業界一筋32年のベテランだ。そのキャリアは当時、丸紅子会社の総合型フィットネスクラブ「レヴァン」への入社から始まる。
「1990年にレヴァンに入社し11年勤務しました。勤務地はレヴァン石橋店(大阪)でしたね。その後レヴァンはティップネスに吸収合併され、私はそのまま残ってティップネスでは、6年半ほど勤務しました。当時はティップネスが名古屋に進出するタイミングで、運良くそのメンバーに入ることができ、名古屋1号店ではプログラムマネージャーとして、2号店は開業支配人として経験を積みました。(ヴェルディーク 魚井氏)」

大手総合クラブで経験を積んだ魚井は、次の流れに目を向ける。
「当時は総合型フィットネス絶好調の時代でしたが、ティップネスを退職し大型バジェットクラブの創業に参加しました。大規模なバジェット型では、おそらく日本の走りになった事例ですね。2008年当時で、月会費4,500円、店舗面積は2,000坪くらいあったかと思います。業界内からは『無理だ』『成立しない』と言われていた業態だったのですが、結果として浜松という地方都市でありながら会員1万人を集めました。(ヴェルディーク 魚井氏)」
現在でも、月会費4,500円は十分低価格の設定で、さらに1万人超の会員を抱えるフィットネスクラブは無いかもしれない。これを約15年前に実現した稀有な経験を、しかも中心で経験したことで、魚井は国内外の業界トレンドをより注視するようになる。
「独立した後は、大手フィットネスクラブに対して人材育成のコンサルティングやプログラムを提供していました。90年〜2000年頃にフリースタイルプログラムが総合型で流行した結果、教える内容やクオリティが講師に依存してしまい、大手はインストラクターやトレーナーの品質管理が課題になっていたんですね。(ヴェルディーク 魚井氏)」
総合型へのコンサルティングを行いながら、魚井には過去の経験が評価され新規業態開発の依頼が増えていったという。

https://veridique-c.jp/fitness-consulting/
「2000年頃まで大手クラブで主流になったフリースタイルプログラムから変化が起きて、2010年前後にはレズミルズやラディカルフィットネスのような外資のプログラムが中心になってきていました。これはフリースタイルプログラムのような何でも有りの状態から『特化』型のプログラムや業態にトレンドが移行したということを意味していたんですね。この潮流を受けて、この頃からテナントに合わせて『新業態』を構築するニーズが増えたんです。(ヴェルディーク 魚井氏)」
こうした流れを受け、ヴェルディークは新規開業のコンサルテイングやオープン後の運営受託などを本格化させていった。「業態開発〜開業〜運営受託〜人材育成」とフィットネスクラブの経営支援領域において上流から下流までを手掛ける形が出来上がっていった。
「でも、ここ数年でまた業界トレンドが変わったと感じました。冒頭でお話したとおり個人オーナーさんからの問合せが増えました。つまり個人の参入が増えてきた。そして個人オーナーさんはフィットネスクラブをオープンしたいけど、1から業態を作ることには不安を感じる人が多かった。フランチャイズのように出来上がっているもの・実績のある業態が良いと。それで2020年頃からFC本部として業態を提供していこうと動き出したんです。(ヴェルディーク 魚井氏)」
ヴェルディークが一気に4業態のFC本部になった背景には、フィットネス業界一筋32年間、現場で業界のトレンドを作り、様々なオーナーの開業支援を行ってきた中で、顧客ニーズと経営側の意識の変化を観察してきた魚井の経験があった。
フィットネスクラブの開業支援から始まったFC本部だから、サポートの経験値が高い
こうした成り立ちのヴェルディークのフランチャイズ事業だが、開業支援から生まれたフランチャイズならではの特徴がある。
「ヴェルディークのフランチャイズには特徴が3つあります。1つ目は、4業態を展開しているので、どんなテナントでも適切な業態をご提案できること。例えば面積の広いテナントでも2業態に分けて同時オープンするといったこともできます。2つ目は、ロイヤリティの安さです。3つ目は、とにかくFC本部としてのサポートを丁寧にやるということですね。(ヴェルディーク 魚井氏)」
ヴェルディークが展開するフランチャイズのロイヤリティの設計は「拠点数ベース」の課金となっている。例えば同一ビルの2フロアにそれぞれ違う業態を出店した場合、通常であれば業態ごと(フロアごと)にロイヤリティが発生するが、ヴェルディークの場合はそのビルを「1拠点」と捉え、1拠点分(月15万円)のみとなる。
「特徴の中でも、なにより力を入れているのはオーナーさんのサポートです。やはりこれまで様々な開業支援を行ってきましたから、フランチャイズで業態開発の部分が短縮された分、手間をかけてオープン前もオープン後の運営もサポートします。ここはこれまでの経歴や弊社の取り組みを見てもらえば分かって頂けるかと思っています。(ヴェルディーク 魚井氏)」

ヴェルディークが展開する4業態(24時間型ワークアウトジム「24h Burrn Gym」、マシンピラティスグループスタジオ「PILATES AXE」、高強度インターバルトレーニング「BURRN HIIT SEVEN」、ホットヨガスタジオ「潤艶スタジオ」)の加盟金はどの業態も一律同額だ。またロイヤリティも一律となっており、テナントに合わせて「選ぶ」ことを前提としたポートフォリオになっている。
各業態によって初期投資や利益率・黒字化までの期間など見通しは異なるが、こうして見ると「どのようなテナントにも適した業態を提案できる」というコメントの意味はよく理解できる。加えて、ヴェルディークとしては上記以外の業態開発も検討しているという。
「どんなテナントにも適した業態を提供する、という方向は更に強化したいと考えています。もちろんフランチャイズを活用せずとも、ゼロから業態開発をお手伝いすることも当然おこないます。フランチャイズでは初期投資500万円〜1,000万円の低コストで開業できる業態の開発も現在行っています。フィットネスクラブの開業をお考えの方はとにかく一度ご相談頂ければ何かしらお力になれると考えています。(ヴェルディーク 魚井氏)」
ヴェルディークのFCに加盟者が続々と参加:事業再構築補助金の申請までもサポート
2021年3月にオープンした玉造店(大阪)は、同一ビル内の2フロアにマシンピラティスグループスタジオ「PILATES AXE」と、高強度インターバルトレーニング「BURRN HIIT SEVEN」の2業態をオープンした。

玉造店のFC担当責任者は、元々有名なフィットネスクラブのFC開業に携わった経験があった。しかし玉造店のテナントでは、既に加盟していたフランチャイズは面積的に難しく、独自業態も検討する中でヴェルディークのHPを見て加盟に至ったという。
また2022年7月にオープン予定の千葉八千代緑が丘店は、1フロアの広いテナントに24時間型ワークアウトジム「24h Burrn Gym」と、マシンピラティスグループスタジオ「PILATES AXE」2業態をオープンする。


玉造店や千葉八千代緑が丘店など、同時に2つの業態をオープンするFCオーナーが多いのも、ヴェルディークがすすめる「どんなテナントにも適した業態を提供する」戦略が、様々な事情を抱えるFC加盟側にフィットしていることが分かるだろう。
「千葉のオーナーさんは20代とお若い、学習塾の経営者の方です。千葉店のオーナーさんは事業再構築補助金を活用して新規オープンされるのですが、再構築補助金の申請準備から申請が採択されるまでサポートをさせていただきました。テナントの3分の2を24時間ジム、3分の1をピラティスに分けて2業態を同時オープンする予定です。(ヴェルディーク 魚井氏)」

千葉八千代緑が丘店に続き「24h Burrn Gym」滋賀店のオープン準備も進んでいる。開業資金が2,000万円〜と低価格の予算設計になってるとはいえ、24時間営業型フィットネスクラブのフランチャイズがこのペースで出店することは珍しい。
これもヴェルディークの「どんなテナントにも適した業態を提供する」というコンセプトに共感するFCオーナーが多い証拠だろう。フランチャイズに限らず、フィットネスの新規開業にまつわる相談などをお持ちの方は、是非ヴェルディークまでお問い合わせ頂きたい。
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■ヴェルディークへのお問い合わせ先
株式会社ヴェルディーク
https://veridique-c.jp/fitness-consulting/